エコや環境問題と関連して、再生可能エネルギーをいかに活用するか?が、あちこちで議論されるようになってきました。
そして、2011年の東日本大震災も一つのきっかけとなって、火力や原発だけに頼らない発電源が、にわかにニーズが高まっています。
再生可能エネルギーという言葉は各所で見聞きすることが増えてきましたが、その種類にはどんなものがあるのか、今一つよくわかっていないのが現実としてあります。
実に多くの種類があるのですが、一部しか広まっていないという側面があり、それゆえ再生可能エネルギーの活用に二の足を踏んでいる法人・個人が多いように思われます。
再生可能エネルギーは様々な種類があり、詳細はこちらの経済産業省のホームページで紹介されています。
http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/outline/
この中で太陽光や風力、地熱などが紹介されているのですが、それ以外にもバイオマスや雪氷熱、温度差を利用したものなどもあります。あまり知られていないようですが、調べてみると実に様々な再生可能エネルギーがあります。
雪氷熱は北海道などの寒冷地や積雪地で研究が進められている再生可能エネルギーです。一部ではすでに利用されているところがあり、今後ますますの発展が期待されています。
寒冷地や積雪地では雪や低温は災害につながるものであり、毎冬にはリスクとして認識されているものです。一方で、このリスクをメリットに転換できないか、という視点も以前から持たれており、現在は自然冷房などに活用されるようになりました。
新潟県長岡市では冬に積もる雪を保存し、夏に冷房として活用する取り組みが一部で始まっています。冬の間に雪を固めて雪氷化し、その冷気を夏季に室内に贈ることによって、自然冷房として利用しようというものです。
これによって夏の間の節電が可能になり、さらに自然冷房なので健康に与える害も少なくて済むようになります。冷房はかなりの電力を消耗するので、夏の間は電力会社も綱渡りになることが見受けられるのですが、自然冷房を使うことでそれも回避できるようになるのです。
寒冷地や積雪地では冬の間にかなりの雪が降る所があるので、その雪を利用するという取り組みが可能になるのです。これがうまく活用できれば、地域のシンボルとしてPRすることもできるようになるでしょう。まさに、デメリットをメリットに転換した好例と言えます。
温度差熱利用を使ったエネルギーは都市部向けのエネルギーとして最近注目をされるようになってきました。これは地下水や河川水、下水などの水源を活用したものです。
夏場ではひんやりし、冬季では暖かいという水源の特性を使い、これをヒートポンプを介して活用する方法が研究されています。
冷房はもちろんのこと、暖房効果も見込まれているエネルギー源なのです。都市部では河川や下水など水源が近くにあることから、この温度差熱利用の活用が検討されています。
燃料を燃やすことがなく、クリーンなエネルギーでもあるので、新たな電力源としての期待も大きいのです。一部ではすでに活用されているところがあり、今後どのように広がっていくのかが期待されています。
ここで挙げたのはほんの一例であり、他にも大きな期待度が持たれている再生可能エネルギーはまだまだあります。一つのエネルギー源に頼るとそこが何かトラブルがあった場合、停電など非常事態を簡単に引き起こしてしまいます。
しかし複数のエネルギー源があれば一つがダメになってもほかのエネルギー源で対応でき、リスクを分散できるようになるのです。
豪雨や地震など、自然災害への備えとして再生可能エネルギーの活用はますます期待されています。今後どんな発展を遂げていくのか、ぜひ括目してみていきたいものです。
2016/07/25