2011年に発生した東日本大震災の影響により、日本のエネルギー事情はにわかに変化してきました。今まで以上に効率的な電力の使用が求められ、節電の機運が日本全国で高まってきたわけです。
そこで注目を集めてきたのが、スマートハウスと呼ばれるものです。
スマートハウス自体は2000年代から既に普及は始まっていましたが、広く注目を集めたのが東日本大震災の頃からです。そのため、スマートハウスとは具体的にどういうものか、まだ詳しく認知されていない方も多いかもしれません。
そこで、今回はスマートハウスの定義を確認し、そしてどのような機器で構成されるのかご紹介します。
スマートハウスとは、住宅に導入した太陽光等のエネルギー発電設備、蓄電池、家電、その他電気機器等がIT(情報通信技術)によってネットワークで繋がり、それぞれの装置が連動するシステムです。
上記の装置がネットワークで一元管理できることからエアコンの温度調整や無駄な照明を消してくれたりすることも可能になり、そして自宅のエネルギーがどのくらい使用されているのかモニター上ではっきりと確認できるようになります。
つまり、スマートハウスとは、「太陽光発電等で電気を作って貯めることができ、ご家庭の電気機器の自動制御と電気使用量の可視化を可能する一連の住宅システム」と定義することができます。
ご家庭のエネルギーの自動制御と可視化が可能になることで、使用していない無駄な電気の使用を削減することができます。
今まで以上に電気を有効に活用ができることから電気代の節約にも繋がり、そして再生可能エネルギーの活用や省エネの実現になることから国が進めるCO2削減にも寄与することになります。
また、2016年から始まる電力自由化によって多彩な電気料金プランが様々な事業者から提供されることが予想できます。
数あるプランの中から最適なものを選択する際に、スマートハウスによってもたらされる電気使用の情報(どの時間帯でどのような機器でどの位電気を使用しているか等)が、きっとお役に立つでしょう。
スマートハウスの定義は以上になりますが、それでは、スマートハウスに必要な装置として何が必要でしょうか。
スマートハウスに必要不可欠となる構成機器を見てみましょう。なお、ここで取り上げる例は、再生可能エネルギーの中でも今後普及が加速すると思われる太陽光を利用するタイプとなります。
スマートハウスは大きく分けて以下の主要な部分に分けることができます。
太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換するための装置です。
太陽光で得た電気、または夜間の割安な電気を蓄積し、貯めた電気をいつでも使えるようにするための装置です。
太陽光発電システムのみでは発電によって生み出された電力を貯めておくことが出来ないため、この蓄電池装置はとても重要な役割を果たしています。
太陽光発電は日光を利用した発電方法なので、夜間は発電が行えませんが、この蓄電池装置があることによって日中に発電した分を夜間に回すことも出来るというわけです。
ホームエネルギーマネジメントシステムの略称です。その役割は、家庭内の電気機器やエネルギー装置を情報通信技術で接続し、エネルギー使用状況を監視し最適な電気使用になるようコントロールします。
また、ご家庭での電気使用に関する各種情報をモニター上で監視もできます。このようにHEMSはスマートハウスの中核的な装置と言えます。
スマート家電は、HEMSで管理できる通信機能を有した家電で、スマートフォンからの操作等も期待が持たれています。また、消費電力量の低い省エネ家電もスマートハウスの大切な構成機器となります。
例えば、スマート家電のエアコンや洗濯機を外出中に操作できるのはとってもありがたいですよね。
また、洗濯機においては洗濯する衣服の量に合わせて適切な洗剤・柔軟剤の量を教えてくれるタイプのものもあるため、それらを利用すれば洗剤の無駄使いを減らすことも出来そうです。
今回は、スマートハウスとはどのようなものか、その定義と構成機器をご紹介しました。スマートハウスの目的は省エネを実現することです。
その実現のために再生可能エネルギーを活用するとともに効率的な電気使用となるよう機器を自動制御し、電気使用量を可視化します。
このような家庭レベルでの効率的な電気使用が増えることによって、社会全体が省エネになることが期待されています。「smart」とは一般に「賢い」という意味を表す英単語ですが、スマートハウスとは、まさに「賢い住宅」とも呼べるでしょう。
2016/11/26