スマートハウスの工場版がスマート工場です。
スマート工場の特徴は、FEMSというエネルギー管理システムが導入されていることです。
スマートハウスのBEMSがFEMSに変わったと考えてください。
このFEMSというシステムによって、発電装置、蓄電装置、省エネ装置と連携でき今まで実現不可能だったことが可能になりました。
今回は、スマート工場について紹介したいと思います。
FEMSによって、エネルギー管理がされるので、工場内でのエネルギー利用の最適化を実現できます。
つまり工場の稼働状況に応じてエネルギー消費量を調節できるということです。
工場では、季節や時期によって稼働状況にバラつきがあります。
例えば、年末年始は稼働しないなどです。
FEMSは、稼働時期によってエネルギー消費量を調節できる仕組みを備えています。
蓄電システムを利用することで、非常用電源の確保につながります。
太陽光発電、風力発電などを利用することでさまざまな電源から電気を確保することができます。
先の東日本大震災のときなど、電力供給がストップした際に蓄電を活用できます。
これは、工場の稼働を止めないための手段となります。
デマンドレスポンスに対応できることもスマート工場のメリットです。
デマンドレスポンスとは、センサー制御によって電力のピーク消費時に電力の消費量を削減する仕組みのことです。
例えば、センサーで人を感知し人がいるときのみ電気を点灯させるなどです。
また、設備の稼働状況をオペレーターが時期によって変えるということもこれに含まれます。
例えば、工場が休みのときは3つ電源設備のうち1つをオフにするなどです。
このようなちょっとしたことでも、長年続けることでコストの削減につながります。
このようなスマート工場システムの提案・設計を担う会社もありますので、探してみてはいかがでしょうか?
まずは、多額の投資が必要であるということです。
また、従業員へシステム使用方法の教育、システムごとにメンテナスが必要であるということです。
投資金を回収するのに7年くらいかかるといわれています。
自社ではスマート工場に精通した人材がいないという悩みを抱えている方をいらっしゃるかと思います。
日本の企業の中には、このようなスマート工場を実現するためのシステムを提案・作成する会社があります。
そうした会社にシステムの設計と開発を委託するという選択肢もありだと思います。
委託料はかかりますが、せっかく投資をするわけですから、自分たちだけで動くよりも信頼のおけるパートナーを頼ったほうがよいかと思います。
今回は、カネカ株式会社の事例を紹介します。
カネカでは、エネルギー消費量が多いため大きなコストがかかっていたことが問題でした。
この課題は、BTG(発電システム)の最適化にありました。
そこでBGTの運転パターンを複数作成しました。
そのパターンを季節や設備の稼働状況に合わせて変えていきました。
その結果、BGT最適化前に比べて80%の経費削減に成功しました。
また、二酸化炭素排出量も年間1000トン以上削減できています。
今後は、センサーや操作端などの改善を進めていく予定です。
また、制御性や昼夜切り替え時間の短縮などの課題に取り組んでいくそうです。
これまで、スマート工場について紹介してきました。
工場では電力消費量が非常に多く、コスト高に悩んでいます。
このような省エネ化によって、コストが削減でき、地球環境保護に貢献することもできます。
今後とも、このようなスマート工場が普及していくでしょう。
2016/02/05