スマートシティーとは、電力の省エネ化を実現し環境へ配慮した都市のことです。
今回は海外のスマートシティーの事例を紹介します。
具体的には、シンガポール、オランダ、インドの例を紹介します。
日本と海外で事例の違いを発見するのは興味深いことだと思います。
シンガポールは、センサーを活用することで人々が暮らしやすい街づくりに取り組んでいます。
そのセンサーを活用することで、気象、人通り、車のスピードなどを計測・集計し、暮らしやすい国を作るというものです。
例えば、タクシー待ちの行列をビデオで撮影し、モニタリングし客に待ち時間を伝えるという取組を行っています。
これによって、客は交通手段を選択しやすくなり、タクシー会社もタクシーの需要が高い場所を知ることができます。
シンガポール政府はタクシー以外にも、交通、物流、エネルギーなどの分野で便利なサービスの提供を目指しています。
オランダでは2025年までに二酸化炭素排出量1990年比40%削減するために、ビッグデータを活用した試験事業が行われています。
例えば防災分野では、水源に検知器を取り付け、気象、水位などのデータを取得・集計し氾濫を予測しています。
これによって、人々に氾濫危険情報を速やかに伝えられ、避難の迅速化につながります。
防災以外の分野でも、医療、農業などの分野でもビッグデータの活用実験が20件ほど行われています。
近年急速な経済発展が続くインドでは、全体の25%が未だ無電での生活を強いられています。
ですから、インフラの整備が急務となっています。
モディ首相は、電力の供給と料金徴収のシステムを構築し、電力の安定供給に貢献しました。
この実績を生かして、モディ首相は今後20~30年間で、100か所のインフラを整備したスマートシティーを建設するつもりです。
規模は約11兆円で、国内外の企業が参入する巨大プロジェクトとなっています。
エストニアは九州ほどの面積で、人口130万人という小国です。
日本人にはあまり馴染みのないエストニアはスカイプ発祥の地であり、ITの先進国として知られています。
すでに電子投票が導入され、国民全員にICチップ入りのカードが配布されています。
また、小学生のころからプログラミングを学習できます。
さらに、世界で初めてエストニアに住まなくても、すべての電子サービスにアクセスができる電子居住がスタートしました。
すべてのものがインターネットで管理されているエストニアはスマートカントリーと呼べるかもしれません。
このように、海外でもスマートシティーが実現されていることがわかります。
先進国のみではなく、エストニアのように日本人にはあまりなじみのない国でもスマートシティーが実現しているのは意外でした。
海外の例を見ると、日本にはないサービスやアイデアがあることがわかります。
例えば、オランダの例です。
水源に探知機を設置し河川の氾濫を予測する仕組みは私の知る限り日本にはないと思います。
日本は海外の事例のよい部分を採用し、スマートシティーの実現につなげるべきだと考えます。
また今後、インターネットやパソコンなどの電子サービスが日本でも導入されていくと思います。
電子化で人的ミスが防げ、人件費が削減できますので、電子化は非常によいことだと思います。
しかし、このような世界には環境に優しい電力が確実に供給されることが必須となります。
再生可能エネルギーの普及の更なる普及と、電力の自由化以降、民間の電力会社の安定性が欠かせなくなってきます。
一方でコンピュータがダウンするなどのリスクもあります。
そのリスクに対応するため、サーバーを2つ用意するなどの対策を講じる必要があります。
その費用を考えても、人件費よりは格段に安く済みますので、電子サービスがなくなることはないでしょう。
2016/01/27