今年の夏は、とくに関東圏で水不足が懸念されています。
梅雨の時期にまとまった雨が降らず、主要なダムの貯水率の大幅な回復が期待できないからです。
一部では10%の取水制限が行われているところもあるのです。
こうなると、私たちの生活にも影響が出てくることを考えざるを得なくなります。
さらに水力によって発電をしている地域や事業所なども、何かしらの影響が出てくると考えた方がいいでしょう。
このことは、ある一つの教訓を私たちに教えてくれます。
それは「一つのエネルギー源に頼ることの怖さ」です。
一つだけに頼ることが悪いわけではなく、その一つの資産源が失われたり機能低下したりということがあると、それだけで電力提供に悪影響が出てくるのです。
2011年の東日本大震災でも、それを実感として味わった方が多かったのではないでしょうか。
電源の多くは火力に依存しています。
その火力発電所が東北や関東でダメージを受けてしまい、時間を区切った計画停電を行わざるを得なくなったのです。
昔ほどではなくなったものの、未だ電源の大半は火力発電所がその供給を担っています。
原発や水力、風力、あるいは地熱などのエネルギー源もその存在感を増していますが、しかし火力に占める割合はまだ大きいのが現実です。
その、大半のエネルギー源供給をになっている火力発電所がやられてしまい、さらに復旧にも時間がかかったので、東日本大震災の際は、電気不足に悩まされることになったのです。
つまり、一つのエネルギー源に大きく依存するということは、リスクが大きくなることを意味します。
その一つが何かの原因でエネルギー源としての役割を果たさなくなってしまうと、そこで終わりになってしまうのです。
しかし、一つに依存するのではなく複数のところに同じくらいずつ依存する状況を創りだせれば、たとえ一つがダメになったとしても生活に支障をきたすことなく毎日を送れるようになるはずです。
火力がダメになったとしても、あるいは原子力発電所が廃炉になったとしても、地熱とかバイオマスなどで代替できるような状況があれば、私たちの生活に与えるストレスの軽減にもつながっていくのではないでしょうか。
再生可能エネルギーの活用は、そういった代替エネルギーの観点からも望まれています。
東日本大震災で、一つのエネルギー源に頼ることの怖さを私たちは学んだはずです。
一人の人として、あるいはイチ法人として、そこから学んだ教訓を今こそ活かしていくべきではないでしょうか。
たとえば、電気は火力や原子力以外の電源から調達している会社を選ぶ、ということが可能です。
今は地熱やバイオマスなどこれまであまり注目されてこなかったエネルギーを使って電気を供給する会社も現れていますから、そういったところからも電気を調達することで一つのエネルギー源に依存しなくなっていきます。
とくに原発は世論の流れとして廃炉に向かうことが考えられ、原子力に頼りにくくなる可能性が高いです。
今だからこそ、新しい電源に切り替えることの意味は大きいのです。
これは買力や原子力だけでなく、水力なども同じことが言えるでしょう。
特に夏になると、どこかの地域で水不足に悩まされるところが出てきます。
そんなときに水力発電に大きく頼ってしまうと、電力が必要になる季節であるにも関わらず電力不足のリスクにさらされてしまう、ということになりやすいのです。
しかし、そこで風力とか地熱などのエネルギーを活用することができれば、水不足になったとしても必要なエネルギーは確保できるようになるでしょう。
夏の時期はとくに水が必要となるときです。
生活はもちろん、農業にも必要ですし工業にも活用されます。
様々なところで水が必要になる夏だからこそ、再生可能エネルギーについて考えてみてはいかがでしょうか。
2016/08/07