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竹を使ったバイオマス発電が始動!新たな自然エネルギーによる電力創出の取り組み

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新たな自然エネルギーとして、竹を使ったバイオマス発電が行われようとしています。この取り組みは世界でも初めてとみられ、繁りすぎて存続の危機にある森林をも救うキッカケとなるものです。

今後どのようにプロジェクトが進んでいくのか楽しみですが、ここでは竹を使ったバイオマス発電の現状についてご紹介しましょう。

 

バイオマス発電とは?

バイオマス発電とは、その名の通りバイオマスを使って発電する再生可能エネルギーの1つ。近年、石油を使わない発電方式の1つとして注目を集めています。

 

発電の仕組みはとてもシンプルで、木屑などを加熱することで蒸気を作ります。その蒸気でタービンを回して発電させるという、火力発電や地熱発電に近い発電方式です。

 

特に火力発電との違いは、化石燃料を使っているかどうか。化石燃料は有限な資源であるのに対して、バイオマス発電は木材などの再生可能な資源を利用しています。ここでいう再生可能という意味ですが、木は植えれば何度でも使うことができるということからきています。

 

ちなみに、バイオマス発電の資源となるものは、生ゴミ、木屑、家畜の糞尿などさまざま。必ずしも木である必要はありません。

 

メリット

バイオマス発電のメリットは様々なところで語られていますが、何よりもまずは再生可能エネルギーであるということ。無限資産であるため、化石燃料がなくなったとしても安心でしょう。

 

特に日本のような島国では、エネルギーの自給率が低くなる傾向があります。石油は中東の国に頼る必要があり、情勢が不安定になると石油価格も上昇します。さらに、今後世界の人口が年々増えていくことにより、エネルギーの需要も増えていくことでしょう。

 

そうなれば、石油の価格は高騰。日本が輸入できる量も制限される可能性もあります。

 

日本はこのようなリスクを抱えているため、再生可能エルギーであるバイオマス発電は、日本にぴったりの発電方式と言われています。

 

さらに、日本の面積の70%は山と言われています。日本は木がありふれており、最近は林業に関わる人口が減ったことで山が荒れ放題になっています。バイオマス発電が進むことで、日本の山が抱えている問題も一緒に解消される可能性があるでしょう。

 

デメリット

全ての物事に表と裏があるように、バイオマス発電も完璧な発電方式とはいえません。例えば、木屑を必要とするため、山林の伐採が必要であるということ。必要な分だけを伐採して、エネルギーに回すのであれば問題ありませんが、あまりにも切りすぎると環境破壊になります。さらに、燃やした時にでる煙の問題を指摘する声もあります。

 

また、バイオマス発電は発電費用や管理コストがかかることも課題といえそうです。伐採する費用、運搬費用、設備の費用など、様々なコストが発生するでしょう。今後、発電効率を高めることで、解消されていく問題かもしれませんが、まだまだ普及させるには難しい状況といえそうです。

 

日本のバイオマス発電所

バイオマス発電所は、全国に徐々に建設され始めています。どれも小規模なものですが、今後広大な大地がある場所で導入が進んでいくかもしれません。

 

例えば、北海道には2015年は8つの発電所しかありませんでしたが、2017年9月現在は50基以上建設されています。広大な大地を利用して、エネルギーを発電できるのは北海道ならではといえるでしょう。

 

また、注目しておきたいのが沖縄。

 

沖縄の特産物といえば、サトウキビですが、エタノールとして利用できることに注目が集まっています。今や、エタノールはガソリンの代わりに注目を集めているエネルギー。アメリカでは、ガソリンに混ぜることで車の燃料として利用され始めています。

 

沖縄は、サトウキビを特産としており、国も補助をしながらエネルギー化を進めているのです。

 

竹バイオマスによる発電所建設計画

ここからが本題ですが、竹バイオマスを使った、新たな自然エネルギーの発電所計画が山口県で進められています。

 

山口県は竹林の面積が全国で4番目と広大で、スギやヒノキといった木の成長が阻害されているという事態に見舞われているのです。もちろん竹は伐採されているのですが、その竹をどう活用するか?ということを検討している段階で、今回の竹バイオマス発電が持ち上がったのです。

 

竹は小さくチップにされて燃料とされ、これを使用して発電に活用することで新しい自然エネルギーとして注目されています。原発を縮小しようという世論の意向もあり、今後ますます発展していく可能性があるのです。
この発電所は2019年春の運用を目指しています。

 

意外と大きい、竹バイオマス発電所の発電能力

この発電所の発電能力は約2MW(メガワット)を見込んでおり、年間の発電量は1580万kWh(キロワット時)になるとのことです。なんて言われてもよく分からないですよね。

一般家庭の使用料は年間3600kWh程度であり、ここから換算すると4400世帯分に相当するのです。場合によっては一つの自治体を賄うことができます。

 

これだけの電力を生み出せると日々の電力供給だけではなく、長期間にわたって蓄電をすることも可能なので、災害の停電時などでも活用ができるでしょう。

たとえば医療機関などの緊急発電用としての活用も考えられ、災害時の医療拠点としての役割を果たすために役立ちますし、または食材や医療品などを被災地に運ぶための物流拠点の維持も期待できます。

 

これが広まると、竹林が生い茂る場所では竹を資材として有効活用することができ、森林を健全に保ちながら有効活用ができるので、今後も需要が広がりそうです。

 

未利用間伐材の新たな可能性

これまで竹は未利用間伐材としての可能性は指摘されてはいたものの、スギなどに比べて有効的に使われているとは言えませんでした。

今回、電力用の自然エネルギーとしての活用方法が樹立されれば、火力や原子力、水力や太陽光などと同じく大きな電力創出が可能となるでしょう。

 

国を始め、各自治体では未利用の間伐材や建設発生材の活用に頭を悩ませているところがすごく増えています。費用もさることながら、民間の能力やアイディアがきちんと活用できていないのが原因と思われます。

また、建設工事などで森林を伐採することもあり、そこで発生する竹の活用に頭を悩ませている建設会社もあるのです。こういった業者にとってもこのような竹バイオマスとしての使い方は、新しい可能性を示してくれていると言えます。

 

この山口県の事例を参考に、全国の竹林があるところに竹バイオマス発電所を作って運用していけば、竹の伐採材を有効活用するだけではなく森林の維持管理にも役立つことが期待されているのです。

 

バイオマス買取入札制度

経済産業省は、次のような声明をだしています。

 

 経済産業省は、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度で、輸入した木質チップなどを燃やすバイオマス発電に入札制を導入する検討に入った。出力2万キロワット以上の大規模発電が対象。買い取り価格の高さに着目した事業者からの申請が急増し、電気料金の大幅な上昇につながりかねないためだ。あわせてすでにある石炭火力発電所を転用する場合は買い取り対象から外すなど、計画の認定要件も厳しくする方針だ。

出典:日本経済新聞

 

ここ最近、バイオマスに注目した業者が固定価格買取制度の利用を増やしていました。固定価格買取制度とは、国が指定した金額で再生可能エネルギーを購入する制度。再生可能エネルギーの普及を目指して2012年に始まりました。太陽光発電も同じように、多くの業者が参入してきたことで毎年買取価格が下がり、入札制度に変更されることが発表されています。

 

バイオマス発電はまだまだ普及が進んではいませんが、参入事業者が増えたことで買取価格を下げる予定なのでしょう。今後、さらに買取価格は下がっていくことが予測されますが、それでも政府のサポートがなくなることは当分の間は考えられないはずです。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。竹がバイオマス燃料として活用でき、私たちの日々の生活に大いに役立ってくれることが分かったと思います。

 

今、全国各地でこれからの電力の安定供給は大きなテーマとなっています。原発が縮小し、火力以外に有効的な発電能力のある発電所がないのです。実質二つに依存した形となっていて、新しいタイプの発電所が求められています。新たな「矢」として竹バイオマスを使った自然エネルギーは大きなポテンシャルを秘めており、今後の開発が待たれるところです。

 

現在は山口県のみの竹バイオマス発電所ですが、今後は徳島県でも建設が計画されており、第2弾第3弾と続いていって欲しいものです。

2018/02/01

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