電力自由化に伴い、いろいろな取り組みや活動が全国で行われています。最近は地方で地産地消の取り組みが広まっているのです。その地域で生み出した電力をその地域で消費するという意味です。
その取り組みは自治体行政府をも巻き込み、補助金を助成するなど一つの事業として形を成すまでに至っています。電力会社はもちろん電力自由化に参入した企業においてもこの取組が行われるようになり、いろいろなエネルギー源を活用することによって、多くの電力源を確保することにもつながっています。
神奈川県は去る8月19日、電力の地産地消の補助金を地元電力会社など3社において採択しました。まだ実験的な側面もありますが、電力の地産地消は今後も広がると考えられることから、非常に興味深い取り組みです。
自治体から補助金が出ることで価格に反映される可能性があり、電気代金を抑えることも可能になります。また、会社の経営状態が安定化し、電気の安定供給が侵されるリスクも軽減できるようになるのです。特に地方に本拠を構える会社の中には中小規模の会社もあり、事業資金をどう確保するかは常に考えておかなければならないテーマです。そういう意味でも、この事業採択は大きな一歩と言えるでしょう。
どのような事業内容かというと、神奈川県の小田原地域内で太陽光発電設備を整え、そこで生み出された電気が地域の住宅や企業に届けられ、それによって得られた売上金の一部を地元のスポーツチームなどへ寄付するという取り組みがあります。またある企業は電気契約を結んだ住宅に対し、先着50名限定で半年間電気代を無料にするという取り組みをしています。いくつか条件をクリアする必要はありますが、これも画期的な取り組みだと言えるでしょう。
この企画は、その企業が県内の住宅の屋根等に同社が設置する太陽光発電設備を無料で貸与し、電力を調達すると言うものです。これによって太陽光による電力契約者の拡大につなげていこうという意図があります。
今、電気の発電は火力や原子力など以前からのエネルギー源に頼っているのが現状です。もちろん太陽光やその他再生可能エネルギーの占める割合も増えてきてはいますが、まだまだ火力や原子力には及びません。この企業の取り組みはそういった状態に風穴を開け、太陽光による電気契約を大きく拡大していく一つの起爆剤となり得るでしょう。
食品の地産地消が進んでいるのと同じく、電力の地産地消も今後進んでいくと思われます。一つのトレンドになりそうなポテンシャルを秘めているのです。
今は消費者に対して認知をしている段階であると思われますが、価格を含め様々なメリットがあると分かれば、太陽光による発電にシフトしていく住宅や事業者はこれからどんどん増えていくでしょう。しかも地産地消であれば、自分たちが必要としているモノを自分たちの地域で生み出せるのですから、これがもたらすメリットはかなり大きいと言えます。遠方の災害などによって自分たちの生活に悪影響を及ぼすことなく、安定した生活環境を整え続けることに繋がるのです。
ここに地産地消のメリットがあります。他者の手に委ねるのではなく自分たちで必要なものを賄い自分たちで消費するので、取り組む際のやりがいも大きくなりますし、価格を抑えることにつながります。近くで調達できるので調達コストが下がるので、価格を低く抑えることにつながるのです。電力の地産地消は都心部を含めこれからのトレンドになっていくのではないでしょうか。
2016/10/13