2016年4月から開始される電力自由化により、電気の質がどうなるのか?が各所で言われています。
電気は安定して供給されるのか、安全なのか、システムの維持管理はきちんとなっているのか、などなど気になるところは尽きません。
そのなかでも最も気になるのが、「電気は安定してきちんと届くのだろうか?」ということではないでしょうか。
結論から言いますと、安定して届きます。なぜかというと、基本的には今の電力会社の発電・配送システムを活用するところがほとんどだからです。電気は光熱費というよりはインフラであり、私たちの生活基盤の一つとなっています。電気なくしては何もできないのが今の世の中です。
なので、電気の安定供給が、消費者にとってはもっとも大事なところであり、いくら価格が安くなったとしても安定供給がなされなければ意味が無いのです。
価格の安さによる失敗事例のひとつには日本ロジテック共同組合が挙げられます。ロジテックは、2010年から仕入れた電力を安く供給するビジネスを展開し、千葉県、川崎市などで、大手よりも格安で供給する電力会社として急速に契約数を伸ばしていました。
ところがロジテックは発電所を持っているわけではないため、安く設定した電気料金に見合うだけの安い電気を買うことが難しかったようで、撤退に追い込まれました。
しかし、ロジテックと契約している施設や家庭は、大手電力会社が代わって問題なく電力を供給できるため、電気が使えなくなることはありません。ただ契約を切り替える面倒だけは必要になってきますが。
朝日新聞「新電力大手、異例の撤退へ 日本ロジテック協同組合」より
http://www.asahi.com/articles/ASJ2R6KVMJ2RULFA031.html
今後、電力自由化により新たな電力会社もどんどん作られていくと思われます。すでにベンチャーの電力会社もあり、実績を残しているところも出てきています。
実績があるベンチャー企業でしたら安心してお任せできますが、実績がまだない会社に任せるのは心もとない、ということもあるでしょう。
しかしロジテックと同様に、実績がまだない会社は既存の電力会社を頼るため、安定供給に関しては問題は無いと言われています。
ただし、その後に自社で発電・送電システムを構築し、それを導入するときが一つのポイントとなるのです。
うまく切り替えができるのか、スムーズに電気が送られてくるのか、使える電気の量はこれまでと同じか、などなど気になることは出てくると思います。
電力自由化で新規参入の会社に切り替える際、抑えておいて欲しい電気の質のポイントとして「電力量」を気にしておく方がいいです。
各家庭で電気の契約量があると思いますが、その契約量がこれまでと同じになるのか、もしくは増やせるのか、あるいは減らされてしまうのか、を切り替えの際にチェックして下さい。
今までは各地域の電力会社が定めている契約量を基本として電力の契約をしていますが、切り替え後は切り替え先の会社とやり取りをする必要性が出てきます。その際、会社によっては「この数値以上の契約はできません」と言われる可能性があるのです。
特に企業・工場・工事現場にとっては大きな問題となるでしょう。そのほとんどは特高の電力契約となると思われますが、切り替え先の会社が特高を扱っていなければ、切り替えることができません。
それを知らずに切り替えてしまうと、切り替え後に必要な電力量を賄えなくなってしまいますので注意して下さい。
そして個人で商店を営んでいるところも注意をして下さい。一般家庭とは異なる電力量が必要ですから、切り替える際には必要電力量が供給されるか?についても注意をして契約をして下さい。
電気は私たちのインフラです。楽しいプライベートを送るためにも、仕事をバリバリやるためにも、電気は必要不可欠になっています。
だからこそ、必要な電気の量を安定して供給してもらえるか?がすごく大事です。私は以前、地震によって一時的に電気の供給が絶たれた経験があるのですが、電気が無いとこうも不便で不安な日になるのか、というのを身をもって経験しました。だからこそ、必要な分の電気を毎日安定して送ってもらえることがいかに大事か?を知っています。
その観点を常に持って頂き、電力会社の選定を行ってくださいね。
2016/03/16