電気の託送料金をご存知でしょうか?
これは電気を送る際に電力会社が必ず利用する送配電網の利用料金のことです。
既存の大手電力会社はもちろん、新たに参入する電力会社も送電線網を利用するときには託送料金を負担することになります。
この料金負担は「電力会社共通の義務」となっており、各社が販売した電力に応じて、地域ごとに決まっている託送料金を負担することになるのです。
では託送料金が私たちの生活にどんな影響があるのか?というと、私たちの電気代にも影響するということです。つまり、託送料金が高ければ電気代は割高になるし、安く済むようだと電気代金も安くなると言えます。
電力の小売り自由化にともない、参入する会社がおおかた出そろったところで、各社が託送料金を公表し始めました。
既存の電力会社がいち早く公開しているので、一部を紹介すると、東京電力は8.57円/kW時、関西電力は7.81円/kW時、最も高い東北電力は9.71円/kW時となっています。
東北電力と関西電力では1時間当たり2円ほどの差があり、関西電力のほうがオトクになっています。これだけを見ると、関西電力に切り替える消費者が出ても不思議ではないでしょう。
これは家庭向けの託送料金となっているので、事業者や特高電力使用の場合は異なってきますので注意して下さい。
出典 https://enechange.jp/articles/takusouryokin-kettei
さきほど、各社差があるとお話しましたが、これらを見ると実際のところ大差がない料金となっています。
なぜかというと、経済産業省がかけ離れた料金設定にしないように公立・中立に決めているためであり、だから各社とも似ている料金設定になっているのです。
新たに参入する電力会社も同様で経済産業省の決めごとに従うこととなるので、託送料金についてはそれほど心配することもないと言えます。
託送料金については経済産業省が一定の決めごとを設けていることから、新しく参入する電力会社も似たような料金体系となることが考えられます。料金に差が出てくるとしたら、その他の要素となるはずです。
たとえば発電に活用するエネルギー源・燃料、発電方法などでしょう。もしくは、自社の他サービスとセット販売することで、結果的に電気料金が安くなった、というストーリーを持ってくることもありえます。
一方で、競争性を持たせるという観点から、託送料金を自由に設定したい!と主張する会社も今後出てくる可能性はあります。料金というのは競争力を示す要素でもあるので、各社魅力的な料金設定を今後も模索してくるはずだからです。
しかも、大手電力会社以外の参入会社は電機以外の商品・サービスを充実させており、それらとのセット販売をすることで利益を確保しつつ料金を下げることもできます。
電力会社を切り替える際には、託送料金をしっかりチェックしておいた方がいいでしょう。それによって、ひと月というところではいいですが、年間当りになると意外と大きな差になることも考えられます。
大手電力会社の託送料金がでそろっているので、新規参入組はこれらを一つの基準として託送料金を設定してくるはずです。
しかしあまりにも安すぎる・高すぎる料金になると申請が通らない可能性もあります。なので託送料金は8円/kW時前後なるところが多くなるのではないでしょうか。現在は関西電力と北陸電力が最も安い料金なので、これらを少しだけ下回る金額とするところも出てくるはずです。
いずれにしても、電力会社を切り替える際には託送料金もチェックしておくべきです。
2016/03/10