先日、東急線の某駅で見かけた光景です。
改札を降りたところで、東急パワーサプライの社員と思われる方々がチラシを一生懸命配っていました。急いでいたので私は受け取らずにその場を去ったのですが、どうやら東急のポイントカードと電気代とを紐づけたキャンペーンを実施しているようでした。
※そのキャンペーンというのがこちらです。
https://www.tokyu-ps.jp/campaign/dentama.html
ご覧になると分かりますが、東急でPASMOや定期券を購入している方が東急電気に申し込みをすると、TOKYU POINTが2倍になるという企画です。貯まったポイントは東急グループのお店での買い物やPASMOのチャージに使用できます。電力自由化と自社の商品とを利用した、面白いキャンペーンです。
東急は鉄道事業がありますから、今後とも電力自由化とコラボした企画を打ち出してくることが考えられます。その一環として東急パワーサプライを設立して電力事業を立ち上げていると言えるでしょう。
例えば東急電鉄を通る経路で定期を購入したら、電気代金を割引するというような企画を打ち出す可能性があります。あるいは、東急パワーサプライで電力供給を申し込むことでそのポイントが還元される、ということもありえるのではないでしょうか。
これは東急の例ですが、同じようなことが各鉄道会社でも行われる可能性があります。もちろんJRも何らかの手を打ってくるでしょう。JRは全国に鉄道網がありますから、他の私鉄にはない強みを持っています。その強みと電力自由化とを組み合わせることで、さらなる活性化と新たな事業化を考えているのでしょう。
地方は鉄道と言ったらJRというところが非常に多いです。そこで電気代金を少し割り引くとか、切り替えに必要な工事代金を一部負担するとか、そういったことが考えられます。つまり、電車の運賃や定期券の購入で電気代金がオトクになる可能性が大いにあるのです。
電車は電気で動いています。当然ですが、電車と電気は非常に深い関係性にあるのです。JRでは自社で発電用の設備を持っているところもあります。
たとえばJR東日本は新潟県内に水力発電所を設けており、そこで生み出された電気は山手線の動力に活用されています。この電気を地元に振り向けることができたなら、地域の人にとっても喜ばれるはずです。地産地消にもなるので、良い取り組みになるでしょう。
JR各社は膨大な電気を供給してもらっているわけですから、これを地域に少しでも振り分けられたら、地域の人には大きな利益享受になります。さらにそこでお値打ち感があればもっともっと喜ばれるでしょう。
それは単なる価格の割引だけではなく、別のサービスを加えて付加価値が増していくということもあるのです。
電力自由化の導入は、既存の会社だけではなく消費者にとっても大きなメリットがある取り組みと言えます。電気は生活に必要なインフラですから、生活必需品と言えます。だからこそ、できればオトクな方がいい!というのが多くのユーザーの共通した想いと言えるでしょう。
日用品がオトクなほうがいいのと同じように、電気もできればオトクな方がいいわけです。それによって生活費にゆとりができ、便利になれば他のことに目を向けることができ、よりゆとりある日々に変わっていくでしょう。それを手助けするという意味が電力自由化にはあると思います。
都市部のみならず、地域の人の大切な足である電車。これが電力自由化に与える影響は決して小さくはありません。だからこそ、電気とのコラボは非常に面白いモノになるのです。
2016/07/10