太陽光発電が出回るようになり、今では一般的な言葉になりつつあります。現在は法人でだけではなく、個人のお宅でも屋根や庭などにソーラーパネルを設置しているところも見かけるようになりました。
農業と同じく、自分の家で消費するものは自分たちで!という意識が電気にもあるように思います。
最近は自分たちで消費するだけではなく、太陽光発電で得た電気を電力会社に売ることができるようになっています。
この制度の興味深い点は、「早めに始めた人が得する仕組みになっている」点です。つまり、先行者利益があるところが面白いのです。
太陽光で発生した電気の買い取り価格は経済産業省が定めていますが、設備設置費用の下落に合わせてこの価格も下がっていく仕組みです。たとえば、平成28年度内(平成29年3月末まで)に設備を設置した人が電気を売ると、1kWh当たり31円で取引できます。今後10年間はこの価格が維持されます。
一方、設備の設置が平成29年度になった場合はこの価格よりも低い額になると考えられております。正式な価格は後日経産省から発表されることになっていますが、31円を超えることはまずないとみてよさそうです。
このことからもお分かりだと思いますが、太陽光発電を売って利益を得たい!ということですと、できるだけ早く設備を設置して売電を始めた人のほうが大きな利益を得られる仕組みになっているのです。
この売電制度のもう一つの特徴として、「売電価格が日常で使う電気代金よりも高くなっている」ことです。つまり、売った方がお得になるということなのです。
一般家庭が支払っている電気代金は1kWh当たり25円程度と言われています。現在の売電価格が31円ですから、この数字を見ても売った方がお得だというのがお分かりかと思います。
つまり、太陽光発電は始める時期が早いほど、大きく得をするといえるのです。
太陽光発電の場合、自分たちで消費する以上の電力が生まれるということも十分にありえます。設備の大きさ・規模などで変わってきますが、余った分はできることなら取引で売った方がいいです。
無駄に使うよりも電力会社に売って有意義に使ってもらった方が、提供する側としても電力会社としてもいい取り組みだといえるでしょう。
発電した電気を売る仕組みを紹介しましたが、欲を出して電力を売るというビジネスを始めよう!とは考えない方がいいでしょう。
家庭用の太陽光パネルは規模が知られており、それほど大きな電力を生み出せるとはいえないからです。それよりも、無駄に浪費するのではなく余った分は他のご家庭などで使ってもらう、という意識づけで取り組んだ方がいいでしょう。
大きな損得が発生しない分、ライトに取り組むことができるからです。ちょっとした社会貢献という意識づけのほうが取り組みやすいですし、日常生活のついでという気分でやる方が、身の丈にあった取り組みができるようになります。
そうすることで大きなリスクを背負わずに太陽光発電に取り組むことができるようになるはずです。まずはご自宅で使う分をしっかり確保して、余ったらそれをよそにおすそ分けするという感覚で臨んでみるといいのではないでしょうか。
2016/07/22