再生可能エネルギーがいたるところで使われるようになり、様々な産業とのコラボレーションが見られるようになりました。ここ最近は、農業とのコラボも増えているのです。農業生産が盛んな地域では自治体が主導することもあり、ますます農業と再生可能エネルギーとのコラボレーションが進んでいます。
たとえば、新潟県では農業水利施設を活用して発電をする試みがなされています。新潟県はコメどころであり、農業水利施設がかなり整備されているのです。水田へ運ばれる水を使って発電し、それを活用することにより、土地改良区や農協、あるいは各種農業設備にかかる費用の削減が期待されています。さらに効率的に発電ができるようになれば、各家庭への送電もできるようになるでしょう。まさに電力の地産地消につながる取り組みなのです。
地産地消ができれば、もっと安価に電気の供給ができるでしょうし、農業用水としても水を活用できるので、資源の活用が一石二鳥なのです。
新潟県内で現在活用されている施設としては、農業用ダムや幹線用水路、排水機場などがあります。詳しくはこちらに掲載されているので、ご覧ください。(にいがた・農業水利施設を活用した小水力等利用促進 より)
また、栃木県では農村部において再生可能エネルギーを農業に取り入れるという取り組みを行っています。水力やバイオマスなどで発電した電力を農業水路や農村公園などに使われているのです。産学官が連動し、それぞれが知恵やアイディアを出し合っていろいろな取り組みがなされているのです。詳しくはこちらをご覧ください。(農業農村における再生可能エネルギー利活用の推進について より)
このように、各地方で農業に再生可能エネルギーを活用する取り組みが盛んになりつつあるのです。それによって農村部を活性化したり経済循環を良くしたり、あるいは新しい雇用を生み出すことにもつながるので、様々なメリットがあります。だからこそ、農業と再生可能エネルギーのコラボが注目されているのでしょう。
先日の熊本の地震で、広範囲にわたって一時停電が発生しました。電気が使えなくなったときこそ、電気の大切さを実感します。多くは既存の電力会社からの供給ですので、そこからの供給が途絶えてしまうと、たちまちに停電になってしまいます。そこで、複数の電源があると、代替で供給が可能になるので停電になる可能性が低くなることが考えられるのです。そうなれば、災害時でも電気が供給され、携帯の充電が引き続きできるようになるでしょうし、必要な連絡をとる手段が確保できます。テレビだって見ることができます。そうなれば、災害に関する情報も入手することが簡単になるはずです。
再生可能エネルギーによる発電ができ、それが効率的に発電・送電できるようになることで、リスクの軽減にもつながるのです。電気は私たちの生活になくてはならないものなので、安定供給が必要不可欠になっています。
平時はもちろん、災害時にも電気の安定供給に対するニーズは時代を追うにつれて高まりつつあるように思います。非常に難しい課題ではありますが、今こそ安定供給にチャレンジする価値もあるのではないでしょうか。複数の発電源があることで、停電になる可能性は低くなるはずです。農業とのコラボが盛んになれば、停電の可能性は限りなく低くなっていくことでしょう。
2016/06/04