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電気代値上げ時代、オール電化でも節約は可能!

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2011年3月に発生した東日本大震災以降、原子力発電所の停止による影響で各地の電気代の値上げが相次ぎました。

 

そのような電気代値上げの状況の中、ご家庭のエネルギーを全て電力でまかなうオール電化にお住まいの方は、家計のさらなる圧迫に悩まれたかもしれません。

 

そこでこの記事では、震災以降の近年、具体的に電気代がどの程度値上げされたか確認し、そしてこのような電力事情の社会において、オール電化にお住まいの方はどのように節電を心がけていけばよいのか、そのポイントをまとめてみたいと思います。

 

 震災以降、電気代は大きく値上げされた

電気代が年々値上がりしていると言われていますが、具体的にどのくらい上昇したのでしょうか。

 

ここでは、総務省統計局が集計した家計に関するデータから確認してみます。

 

以下は、総世帯、勤労世帯ごとに集計された月平均の電気代です。

 

【総世帯の場合】

2011年…8,188円

2012年…8,698円

2013年…9,118円

 

【勤労世帯の場合】

2011年…7,869円

2012年…8,343円

2013年…8,844円

(出典:総務省統計局「家計調査」家計収支編・年報)

 

総世帯、勤労世帯いずれを見ても2011年から明らかに電気代が上昇しており、その上昇率は2011年から2013年にかけて11~12%前後となっています。このことから、電気代の値上げは日本各地で相次いだことが推測できます。

 

 電気代が値上がりした理由は?

電気を使う量は変わってないのに、月々の支払いが上がっているのなら、1kwあたりの電気代が上がっている可能性があります。実際に値上げが日本中で起きていますが、値上げには理由があったことをご存知ですか?

 

  1. 燃料の値上げ

東日本大震災の影響で原子力発電所の稼働が困難になり、電気代が上がりましたが、実は、それよりも以前から電気代は上がっていました。その一番の理由とされるのが、火力発電に使う燃料費の上昇です。2008年ごろから新しい燃料の取引システムが導入され、原油価格が高騰しました。

 

また、日本で原油は採れないため、海外から輸入しています。震災以降に民主党から自民党に変わったことで、円安に振れました。日本から海外に輸出している企業は、利益が増え増収増益になりましたが、原油やガソリンなどの購入負担は実質増えてしまいました。

 

  1. 震災による原発の停止

2011年に東日本大震災の影響で原子力発電所の稼働が困難になったことを受け、化石燃料に依存した発電にシフトしました。当時の日本は、新しい発電システムを導入するという議論をしていましたが、原発に変わる発電方法はなく、化石燃料に頼った発電に今もなお頼っています。

 

原発は、発電コストが低いことで知られています。資源エネルギー庁のデータによると、震災が起きる前は、日本の電気の30%が原発から供給されていました。火力発電からは同じく30%ほどだったようです。震災後、原発の稼働が止まり、原発からの供給がゼロとなりました。その代わりとして、石炭やLNGを使った火力発電でまかなうこととなりました。

 

結局、火力発電に使う化石燃料は原発に比べると費用が高く、燃料費が2倍になりました。この変更が、電力会社の財政を圧迫したため、各社一斉に値上げをすることとなりました。

 

 節約の前に家の電気料金を把握しよう

資源エネルギー庁のデータによると、家庭で使われる電気の割合は以下のようになります。

 

電気冷蔵庫   14.2%
照明器具    13.4%
テレビ     8.9%
エアコン    7.4%
電気温水器   5.4%
エコキュート  3.8%
温水洗浄便座  3.7%
食器洗い乾燥機 3.7%
電気ポット   3.2%
パソコン    2.5%
炊飯器     2.3%
洗濯機     2.1%
電気カーペット 2.0%
その他     27.4%

 

(出展:経済産業省 総合エネルギー調査 平成23年度データ)

 

冷蔵と照明器具がダントツで電気を使っていることがわかります。10年前のデータと比べると、エアコンが 25%でトップ、冷蔵庫と照明器具が16%でした。その時と比べると、エアコンの効率が上がり電気の節約になっていることがわかります。また、使われる機器が増えたため、割合が分散されています。

 

オール電化でよく使うエコキュートや電気温水器なども、上位にランクインしています。

 

 オール電化で電気代を節約するには

値上げが続く昨今の電力事情において、オール電化にお住まいの場合は家計の負担が増大することが予測されます。せっかく費用を抑えるためにオール電化にしたのに、蓋を開けてみたらガスを使っていた方が安かったということになりかねません。

 

オール電化ならではの、電気代の節約方法がありますのでご紹介します。オール電化で電気代に悩んでいる方も、これからオール電化にする方も、参考にしてみてください。

 

  1. オール電化に適した電気代のメニュー(プラン)を選ぶ

電力会社には、オール電化住宅に適した電気料金メニューが存在します。

たとえば東京電力公式ウェブサイトによれば、「スマートライフプラン」という名称のメニューが用意されていることがわかります(2017年1月現在)

 

東京電力の「スマートライフプラン」は時間帯を2つに分け、午前1時〜午前6時の料金を格安にしています。

 

そのため安い単価の時間帯を活用して電気を使用すれば、電気代の節約が実現できることになります。

 

さらに、オール電化住宅にお住いの場合、住宅設備修理サービスも付帯しています。エコキュートやIHクッキングヒーターが壊れた時でも修理をしてもらえるサービスを受けられます。

 

  1. 電気製品のタイマーを活用する

時間帯で電気代単価が異なる料金メニューを有効活用するには、もちろんその割安の時間帯でご自身が生活を送ることでもよいのですが、そのような時間帯は夜間である場合が多いことから家電製品のタイマー機能を使うことをオススメします。

 

たとえば、電気炊飯器や全自動洗濯機、食器洗い乾燥機などは多くの製品にタイマー機能が備えられています。タイマー機能を活用して夜間の時間帯に稼働するよう設定すると、より簡便に割安な電気代を得ることができるでしょう。

 

  1. 電力全面自由化で、割安な電力会社を選択する

2016年から一般家庭にも電力が全面自由化されることで、これまで契約してきた既存の電力会社以外にも電力会社を選択できるようになりました。

 

もちろん、料金の価格帯によって電力の品質(停電の発生しやすさ等)や各種サービスが異なってきますが、それでも電気代というキーワードで電力会社を選択できることは、電気代が値上がりしやすい時代には嬉しいことと言えます。

 

  1. IHクッキングヒーターの見直し

電機機器でも、毎日使うものとそうではないものがあります。また、それぞれ稼働させるために使う電気量も違います。その中でも、多いときは1日に3回使うIHクッキングヒーターの使い方を見直してみてください。

 

IHクッキングヒーターは、電気を鍋やフライパンに流すことで温めています。効率よく温めるためには、電気をより通しやすい材質の鍋やフライパンに変えたり、鍋の底がまっすぐで、IHクッキングヒーターの加熱部分にしっかりと当たるものを選びましょう。温めるときに無駄なく、そしてスピーディーに温められるようになります。

 

あとは、できるだけ使う時間を短くする努力があればさらに電気代を抑えることができます。調理時間を短くする工夫として、野菜やお肉に切り込みを入れて、火の通りを良くすることができます。また、圧力鍋を使い料理の効率を上げるなど、調理時間を短くする工夫などもあります。

 

  1. 温水器とエコキュートの見直し

温水器とエコキュートの使用量は、全体の中でも上位にランクインしていました。使い方を見直せば、大きな効果があるかもしれません。

 

温水器とエコキュートが同じものだと思っている方が時々いますが、お湯の沸かし方が全く違います。温水器では電気でお湯を温めるのに対して、エコキュートは、空気中の熱を利用して水を温めています。そのため、エコキュートの方が電気代を節約できます。すでに温水器を使っている人は難しいですが、これからオール電化にする人は、エコキュートの方がランニングコストを抑えることができるのでおすすめです。

 

また、温水器もエコキュートも、電気代の安い深夜にお湯を沸かしています。しかし、温めたお湯が日中になくなってしまうと、電気代の高い昼間にお湯を沸かすことがあります。これが、大きな電気代の無駄になっています。できるだけ夜にお湯を沸かし、使い切らないような工夫をする必要があります。例えば、お風呂に入る時間を調整するなど、生活習慣を変えるだけでも効果があります。

 

 まとめ

今後、日本の電力源は化石燃料が中心となるか、または再生可能エネルギーが中心となるかは予測が難しいところでしょう。

 

特に化石燃料の調達コストは今後どのように変化するか予測が難しく、そのため今後も電気代が値上げされるリスクも完全には否定出来ません。

 

それでも、電力全面自由化によって電力市場にも競争原理が働き、そのためより安価な電力も期待できます。また、割安な料金メニューを選択することで節約を実現することも出来ます。

 

電気代値上げのリスクがある一方で、この記事でもご紹介したように消費者にとって電気代節約のための選択肢が広がっていることも事実です。これからさらに技術の進歩などがあり、電気代が下がっていくかもしれません。オール電化で節約をご検討する際に、この記事がご参考になると幸いです。

 

2017/03/03

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