「毎月の電気代が高くて大変」、「電気の使用量が多すぎるかも」、「他の家族も同じように高いの?」…このような悩みや疑問を持たれているご家庭も多いでしょう。
ひとことで電気代と言っても、家族構成やライフスタイルよってそれぞれ異なると思いますが、日本国内の一般的な家族が使用する電気は、基本的に地域に独占の電力会社によって賄われているため、それほど極端に大きな差は無いと思われます。
それでは、一般の家族が使用する電気使用量や電気代は平均的にどのくらいでしょうか。ここでは、一般的な家族を想定して、電気代の平均を探ってみたいと思います。
※2015年のデータを追加して更新しています。
家族が使用する電気代は、電気使用量に応じて増加していきます。そこで、電気代の平均を探る前に、まずは世帯あたりの電気使用量から見ていきたいと思います。総務省統計局がまとめたデータによると、直近4年間での各月の電気使用量は次のようになっています。
2012年 |
2013年 |
2014年 |
2015年 |
|
1月 |
558.6 |
567.9 |
561.2 |
567.1 |
2月 |
596.9 |
578.7 |
575.9 |
572.2 |
3月 |
561.4 |
543.0 |
560.6 |
534.6 |
4月 |
512.4 |
456.7 |
475.1 |
463.8 |
5月 |
433.4 |
410.4 |
396.6 |
391.0 |
6月 |
355.1 |
344.3 |
342.8 |
330.3 |
7月 |
342.3 |
353.6 |
332.3 |
327.8 |
8月 |
412.7 |
424.1 |
392.0 |
405.1 |
9月 |
439.5 |
444.0 |
391.8 |
382.6 |
10月 |
380.6 |
373.9 |
352.3 |
338.3 |
11月 |
364.8 |
371.7 |
349.1 |
333.7 |
12月 |
444.1 |
425.8 |
408.1 |
376.9 |
1世帯当たり電気使用量(kWh)
(出典:総務省統計局「家計調査」平成27年(2015年)12月分速報
:(品目分類) 第10表 1世帯当たり年間の品目別支出金額,購入数量及び平均価格(二人以上の世帯)
)
上記のデータから、過去4年間の各々の平均電気使用量を計算すると次のようになります。
2012年:平均450.2kWh
2013年:平均441.2kWh
2014年:平均428.2kWh
2015年:平均418.6kWh
1年間のうち電気使用量が比較的多い月は、1月から3月であることが分かります。寒い時期になるためエアコンなど暖房器具を多用することが影響しているかもしれません。
総合的に見て、各月の平均的な電気使用量は430~450kWh近辺であり、特に冬には電気使用量が増加することが分かります。
上記の平均的な電気使用量と、ご家族が使用している月々の電気量を比較することで、無駄な電気を使っていないかチェックをしやすいと思います。
次に、一般的な家族が月に使用する電気代を見てみます。
ここでも、総務省統計局「家計調査」(家計収支編・年次)のデータを引用して、月の平均的な電気代推移を年ごとに確認してみましょう。
(1)「総世帯」の場合
2006年 |
2007年 |
2008年 |
2009年 |
2010年 |
2011年 |
2012年 |
2013年 |
2014年 |
2015年 |
8,056円 |
7,912円 |
8,387円 |
8,211円 |
8,421円 |
8,188円 |
8,698円 |
9,118円 |
9,472円 | 9,336円 |
(2)「勤労者世帯」の場合
2006年 |
2007年 |
2008年 |
2009年 |
2010年 |
2011年 |
2012年 |
2013年 |
2014年 |
2015年 |
7,659円 |
7,507円 |
8,101円 |
7,846円 |
8,052円 |
7,869円 |
8,343円 |
8,844円 |
9,134円 | 8,946円 |
(出典:総務省統計局「家計調査」家計収支編・年報)
上記のデータから、一般的な家族の電気代は、近年では月に9,000円前後が平均的と分かります。近年は電気代も少しずつ上昇している傾向があるため、より一層、節電対策を心がけたいところです。
なお、2011年には総世帯、勤労者世帯ともに電気代が一時期下がっていますが、これは2011年3月に発生した東日本大震災の影響で電力インフラが破壊され、その結果、電力供給量が減少したためと思われます。
以上のように、世帯二人以上の家族の場合、2013年時点におけるひと月の平均的な電気代は9,000円前後となります。
もちろん、世帯数が増えれば増えるほど部屋数も増え、それに伴いエアコンの使用量も増えたり照明やテレビ視聴に時間も増えたりするため、その分電気代が高くなるでしょう。
それでも世帯数が数名増えても平均値から極端に乖離することはないと思われますので、一般の家族が使用する電気代の平均として9,000円はひとつの目安とすることが出来ます。
2016年4月から、電力自由化が一般の家族も対象になりました。今後は電力会社を自分で選び、より安い電気代で電気を使用することも期待が出来るでしょう。その際、ご家庭が費やす月々の電気代と上記のデータを合わせて比較することで、今後の節電の計画が立てやすくなると思います。
2016/06/14