エレベーターのロープが切れてしまったら一体どうなるの?
出典 http://garoll.net/entry/79085
その昔、超有名なホラー映画でエレベーターのロープが切れ、エレベーターがもの凄い勢いで落下するシーンがありました。
あまりの衝撃にエレベーターにトラウマを抱えるようになってしまった方もいるようですが、果たしてエレベーターのロープが切れてしまったとしたら、一体どうなってしまうのでしょうか?
エレベーターのロープが切れる可能性について
現在日本で使用されているエレベーターは、そのほとんどがロープ式となっています。
そもそも、エレベーター自体の平均寿命は約17年とされていますが、エレベーターのロープの寿命は平均して10年ほどとされています。
もちろん、環境によって劣化具合は異なりますが、きちんと定期的な点検や交換作業が行われているならば、まず安心と考えて良いでしょう。
しかしながら、エレベーターのロープが切れる可能性については、残念ながら十分にあり得ることです。
日本においては、ロープが切れたことによる大規模な事故や、死亡事故は近年ではありませんが、中国やトルコでは悲惨な死亡事故が起こっています。
もしもロープが切れてしまったら…?
ちょっとやそっとのことでは切れない設計がなされているエレベーターのロープですが、もしもそれらが切れてしまったとしたら、「タワー・オブ・テラー」並みに地階へと真っ逆さまに落ちてしまうのでしょうか?
実は予想に反し、たった1本のロープだけがエレベーターに繋がっている状態で、他のロープが全て切れてしまった場合においても、満員状態のエレベーターを稼動させることは可能です。
また、もしも全てのロープが切れてしまった場合においても、エレベーターの非常止め装置が作動してエレベーターのカゴをロックし停止させます。
低速のエレベーターであれば、ロープ切断時にすぐに非常止め装置のロックが作動しますが、毎分45mを越える高速エレベーターの場合では、速度を減速した後にロックがかかり停止する作りになっています。
そのため、高速スピードで地上に向けて落下するということは、まずあり得ないはずであると言えるでしょう。
仮にロックが全く効かずに、エレベーターのカゴが地上に下降し始めたとしても、天井と床面への衝撃を和らげるための衝撃緩衝器が設置されています。
念には念を重ねた安全装置が取り付けられており、エレベーターの保守点検が適正に行われているのであれば、ホラー映画の様な恐怖体験はまずしないで済むと考えて良いでしょう。
エレベーター落下事故から学べること
2012年と2015年には中国で、また2014年にはトルコで起きたエレベーター落下による大規模な事故。安全装置が取り付けられてあるエレベーターの安全性を知ることができても、それらの事故のことが頭をよぎって恐怖を感じることもあるかも知れません。
しかし、それら大事故に至ったエレベーターには幾つかの共通点がありました。実は中国でもトルコでも、それら事故を起こしたエレベーターは工事現場用のエレベーターで、事故の前から何らかの不調があったとのこと。
これらの点を考え合わせるなら、通常のエレベーターに乗ることに恐怖を感じる理由はないと言えるでしょう。
ただし、やはり老朽化した建物にあるエレベーターや頻繁に故障するようなエレベーターには、極力乗らないようにしたほうが身の安全のためではあるかも知れませんね。
まとめ
一般エレベーターのロープが全て切れた場合でも、様々な安全対策がなされていることを知る事ができ、安心することができたのではないでしょうか。
ちなみに落下しているエレベーターの中でも助かるためには、地階に衝突すると同時にジャンプするよりも、床に伏せて頭部を庇うほうがまだ助かる確率は高いそうですが、決してこんな豆知識が役に立つ日が来ないことを願いたいものです。