エレベーターガールのお仕事と気になる現状は?
かつては、女性が憧れる花形の職業とされていたエレベーターガール。
エレベーターガールたちの凛とした立ち姿と、優雅な身振りに魅了された方もきっと多いのではないでしょうか。
ところで、最近ではほとんど見掛けることがなくなったエレベーターガールですが、その現状とはどのようなものなのでしょうか?
エレベーターガールの仕事内容とは?
エレベーターガールが一つの職業として、初めて国内で採用されたのは、1929年のことでした。
当時主流であった手動で動かすエレベーターを運行させながら、優雅にフロアごとの案内をするエレベーターガールの仕事は、瞬く間に女性の憧れの職業となりました。
エレベーターガールの仕事は、各階の案内やエレベーターの行き先ボタン操作だけではありません。
実際には、エレベーターによる事故発生の防止、非常時のための連絡係や、そして避難する客を誘導するという、重要な業務も兼ねています。
ただきちんと制服を着こなし、礼儀正しくしていればエレベーターガールになれるという訳でもなく、様々な状況にうまく対処できる能力が求められる仕事であると言えるでしょう。
エレベーターガールは日本の「おもてなし」文化?
以前は国内であればどんな有名百貨店だとしても、エレベーターガールを採用していました。
日本を訪れた外国人ツーリストなどからは、至れり尽くせりの日本のホスピタリティ精神の真髄を、エレベーターガールに見出す方もおられたようです。
エレベーターには気の利くスタッフが乗り込んでおり、階と階の移動をスムーズかつエンターテイメントとして提供する、と絶賛されているエレベーターガール。
もちろん、もはや手動でも、珍しい乗り物でもなくなってしまったエレベーターに、エレベーターガールが搭乗することの必要性に疑いを差し挟む方はたくさんおられるでしょう。
しかしながら、日本の素晴らしい「おもてなし」文化の一つとして、エレベーターガールは、外国にも誇ることができる、そんな素敵な職業だということを忘れてはならないでしょう。
エレベーターガールの現状について
エレベーターガールの現状については、新規でエレベーターガールの求人を探すのは非常に難しいでしょう。
エレベーターガールの仕事は、需要のある仕事というよりは、むしろいずれ滅び去る運命にある仕事である、と見なすことができます。
その理由としては、現在のエレベーターが、音声案内やドアの開閉時間の延長などに関して、かつてのエレベーターよりも素晴らしい進歩を遂げてきたからである、と言えるでしょう。
そのため、もはやわざわざエレベーターガールを、エレベーター内にスタンバイさせておく必要がなくなったのです。
しかしながら、常に混雑状態である場所においては、きめ細やかな対応で鮮やかに対処する、エレベーターガールの活躍を今でも目にすることができます。
その一例としては、東京タワーや横浜ランドマークタワーなど、主に観光場所で活躍しているエレベーターガールも存在します。
エレベーターガールが消えた理由の背景
バブル崩壊後間もなく、日本でエレベーターガールという持ち場が次々と廃止されていったため、エレベーターガールという仕事を知らない世代が存在するようになりました。
これには、百貨店側などの経費削減が大きく関係している、と言えるでしょう。
百貨店の売上高は、昔のピーク時よりも全体的に落ち込んでいる傾向にあります。
そんな中、直接的には百貨店の売上に貢献しない、とされるエレベーターガールなどの顧客サービス係を削減していく手段に出た百貨店も多くありました。
ですから、日本経済が本当に持ち直すことができ、景気回復することができたのであれば、再びエレベーターガールなどの顧客サービス係が、多く採用されるようになる可能性もあるのではないでしょうか。