名古屋駅周辺の地価高騰の理由は?
平成28年3月22日の地価公示において、愛知県は住宅地の4年連続上昇と商業地での3年連続上昇を記録しました。特に商業地での上昇率平均は2.7%と、前年比2倍近くを示しており、その注目度の上昇も確認されています。
現在タワービル「大名古屋ビルヂング」、「JPタワー名古屋」が、そして11月には「JRゲートタワー」が部分開業となり、この先のオフィス増加からその経済効果は将来的に計り知れないものになり、そしこの三つのタワービルがそのきっかけになっているのかもしれません。
今回はこれらの背景にある、地価の高騰には何が関係しているのか、について見ていこうと思います。
地価が上がる理由
そもそもなぜ地価が上昇するのか、簡単に言うと「人気」があるから、というのが一つの答えです。
その「人気」を言い換えると「経済的価値がある」となり、それを分解していくと「交通利便性」「その土地の将来性(再開発)」などになり、最近では「訪日客(インバウンド)需要」も加わっています。
この三つの大きな要因を兼ね備えたのが愛知県であり、三大都市圏の中では一番伸び代のある名古屋、その中心地となる名古屋駅周辺の地価が上昇しているのだと考えられます。
それではそれぞれの要因を簡単に見ていくことにしましょう。
交通利便性
主要都市に向かうための交通機関が発達している地域は比較的地価が上昇する傾向にあります。
東京を例に見てみますと、企業の多さから都心近くに居を構えるのが金額の面で難しい状況です。
ですのでそこで働く人は必然的に離れた場所に住むことが多いのですが、どうしても交通機関の利便性を考えて郊外の「鉄道沿線上」を選ぶでしょう。
個人だけに限らず企業でも、主要区は無理でもなるべくそこの近くの場所を選ぶため、交通の利便性を重視することが多くなります。
今はインターネットがあるため情報の格差は小さくなったとはいえ、その慣習はすぐに変えられるわけでもないのでこれからもしばらくは変わらないでしょう。
このような理由で交通の利便性というものは土地の値段に大きな影響があります。
その中で名古屋には東京と40分で行き来できるリニアの計画もあります、しばらく先の話にはなりますが、先の話だからこそ今のうちに投資をする人や実際に住む人が多くなっているのではないでしょうか。
土地の将来性 / インバウンドの増加
土地の将来性としては「再開発」がわかり易い指標になります。
そこの人たちがどれだけ開発に力をいれるか、それがどれだけ実現可能なのか、といったことがポイントになります。名古屋では上記三つのタワービルの建設がとても話題になっていますし、さらに「名鉄百貨店」「三井不動産」「近鉄」「日本生命」といった大企業の中の大企業が名古屋駅前の土地を再開発するというプロジェクトもあります。
その規模は三つのタワービルのどれよりも広い敷地面積を予定している様です。
さらにインバウンドに関しては、中部国際空港へのアクセス向上の計画も持ち上がっています。
現在でも名古屋は外国人観光客が日本観光を行う際のゴールデンルートに入っていますので、そこから名古屋の人気を伸ばしていくことも現実的な計画と言えるでしょう。
地価の上昇には三つの大きな要因が関わっており、そのすべてに前向きな計画があるのが名古屋であり、全てが名古屋駅周辺の土地に繋がっています。
リニアの開通計画、名古屋駅周辺の再開発、さらにはインバウンドの増加をも視野にいれており、様々な要因がうまく絡み合ったために名古屋駅周辺の地価の高騰に繋がっているのでしょう。
2020年のオリンピック開催までは外国から観光に訪れる人も多く、経済状況もそう悪くなるとは思えませんので、そのあとのことを考えて新しい計画を立てている土地が評価されるのは、ある意味当然のことかもしれません。