今、太陽光発電は至る所で行われています。企業だけでなく個人レベルでも自宅の屋根や庭にパネルを取り付け、自家発電を行っているお宅も増えてきました。
よく目にするので太陽光発電はスペースさえあればどこでもできるものという印象があると思いますが、実は向き不向きもあります。太陽光を集めるのですから、晴れの日が多く天気が安定している場所、ビルなどの高い建物で遮られない場所、ある程度の広さがありたくさんの光を集められる場所など、必要な条件を挙げることができます。
日射量が小さければ、十分な発電量が確保できず、維持・運営していくのが難しくなります。太陽光システムは大きな買い物になりますから、設置する土地の条件をよく考えて置くようにしましょう。
まず天気に注目してみましょう。ロンドンは曇っている日が多い、ミクロネシアの地域はスコールが多い、など、世界レベルで考えると天気の差があることは承知のことですが、日本国内でも各地で天気の特徴があるのです。
では太陽光発電向きの場所はどのあたりかというと、太平洋沿岸です。日射量が多いことが分かっています。日射量のデータマップがあり、こちらで見ることができます。→日射量データベース
これらの地域は、天気の悪い日はあるものの、1年を通して晴天が多いので多めの日射量が見込めます。もちろん、これ以外でも全国各地で太陽光パネルを設置しても太陽光発電は可能ですが、特に太陽光発電に向いているとされているのが内陸や太平洋沿岸とされています。
日本海側にご自宅があって屋根に設置するという方は、家庭用ならそこまで気にする必要はありません。しかし、産業用の大きな太陽光発電所を構えようと考えている方は、土地探しは太平洋側から候補に挙げていくとよいでしょう。
さらに太平洋側の郊外ですとなおおすすめです。やはり都市部は土地の空きが多くありませんし、土地代も高いのは当然です。地価が高くて固定資産税がかかったり、あるいは土地の造成費用がかさんでしまうと、余計に費用が掛かるからです。そうなると支出が大きくなって利幅がすごく小さくなってしまいます
また、次の項で述べますが、太陽光を遮らないことも重要な条件になりますが、都市部では高層の建物を避けようとすると土地選びは難しくなります。
また、周囲に日光を遮るものがないというのもポイントです。高層ビルが集まっている所は不利になります。時間帯も考慮して、向いているかどうか検討してみて下さい。
注意したいのは、自然がたくさんの地域です。ビルがないとはいえ、木がたくさん生い茂っている場所では同様に日差しが遮られ、太陽光発電が効率よくできない可能性が高いです。
緑の印象から環境が良さそうという気になってしまいがちですが、木の高さや本数、また、今後大きく育つような木ではないかも気をつけて見てみましょう。
一般家庭の屋根に設置する場合は、ある程度電力を確保できれば問題ありません。しかし、投資や一括償却のために大きな容量の発電所を検討しているときは、妥協せずに広い土地を十分調査して探しましょう。「広い土地」一言で言えば簡単なのですが、なかなか見つからないのが現状です。
お金はあるけど土地がないというケースは非常に多くなっています。しかも企業の計画で契約期限内に土地を見つけなければいけない場合もあります。土地探しは早めに動いておいて損はありません。
売電収入を見込めないだけでなく、自家発電として企業や工場で電力を使おうと考えている場合、365日24時間を通して人もモノも、いろいろなモノが動き続けています。経済活動にも直結しているので、ちょっとした問題で停電が起きるというのでは意味がありません。
太陽光発電所の建設、あるいはご家庭での太陽光パネルの設置を検討し始めた皆さん、場所のポイントはご理解いただけましたでしょうか?
建設、設置して終わりではありません。もしかすると税金対策のためであればそれでよいと言えてしまう方もいるかもしれません。しかし、本来の太陽光発電の意義を決して忘れないで欲しいと思います。原発の事故で大きな被害を被った方がいることを思い出して下さい。安全に電気を作って、豊かな生活を送るために太陽光発電はあります。
私達のよりよい生活のために、太陽光発電を考えていきましょう。そのための第一歩が、土地選び、場所選びであると言えますね。
2016/09/23