「最近電気代が高い気がする…」「もっと電気代を節約できないかな」…電気代にお悩みのご家庭は多いのではないでしょうか。
実際、電気代に関する様々な統計を見ると、近年では電気代が年々上がっている傾向があります。そして、このまま電気代が上昇すると家計を圧迫して、生活が次第に苦しくなる可能性も…
しかし、2016年から始まった電力自由化が大きなチャンスです。電力自由化という規制緩和の機会を利用することで、これからの電気代を効果的に節約することも十分に可能と思われます。
そこで今回は、電力自由化で、絶対に損をしない電気の活用ポイントを3点ご紹介したいと思います。電力自由化のポイントをしっかり押さえて、電気代を節約してゆとりのある生活を実現しましょう!
ご存知の通り、これまで電気を買うときはお住まいの地域を担当する電力会社からのみ可能でした。
しかし、2016年からは必ずしも地域電力会社から電力を購入する必要はなくなるのです。他地域の電力会社から購入できますし、これから新規参入してくる事業者から購入可能になります。
電力事業者が増えるとサービスや価格の競争が生まれますので、より安くて品質のいい電気を、消費者自らが選ぶことが出来ます。あたかも、携帯電話会社を自分で選ぶかのような感覚に近いかもしれません。
新規参入してくる会社は、電力会社だけではなく今まで電力とは関係のなかった会社ばかりです。例えば、北海道ガス、東邦ガス、東京ガスなどのガス会社や、ソフトバンク楽天などのIT関連の企業などがあげられます。
ここでは例として3社の電力事業を簡単にご紹介します。
SBパワーは、通信やインターネット事業で有名なソフトバンクの関連会社で、ソフトバンクグループにおいてエネルギー関連事業を担っています。SBパワーでは「電力買い取りサービス」が提供されており、太陽光発電で生み出したエネルギーを、国が定める固定価格買取制度の価格よりも1円高く買い取ってもらえます。当初は限定エリアでのサービスになりますが、順次エリア拡大が予定されています。
楽天エナジーは、EC事業で有名な楽天の関連会社で、楽天グループにおけるエネルギー関連事業を推進しています。楽天エナジーでは「電力マネジメントサービス」が提供されています。このサービスでは、顧客の代わりに楽天エナジーが電力会社と電気需給の契約を結び、顧客へは最適で安価な電力が提供されます。
丸紅新電力は、商社の丸紅が100%出資する電気の売買事業会社です。ほぼ全国で電力の供給を行なっており、お得さを追求したプランを提供しています。電気料金は、「基本料金」「電力量料金」「再生可能エネルギー発電推進賦課金」の3つで構成されています。この料金を掛け合わせて月間の電気料金が算出されます。ホームページでシミュレーションをすることも可能です。
以上3社の例のように、従来は別事業が中心であった事業者がエネルギー分野へも参入し、より魅力的な電力需給のサービスを受けることが可能になります。
それぞれの企業が自社の特長を活かし、他者とは異なったサービスも開始しています。例えば、ソフトバンクは、おうち割という電気の契約をすることで、スマホやネットに割引が適応されるサービスを展開しています。他にも、ネット回線やTV配信をしているJ:COMは、電力セット割として最大12,000円の割引をおこなっています。(2017.02)
このように、多くの企業が電気+アルファのサービスを提供することで、他者との差別化をはかっています。このような流れは今後も継続することが予想されるため、これから電力を契約する人はそれぞれの企業のサービスを比べながら契約する必要が出てきます。中には、従来の電気料金とほとんど変わらないという場合もありますので、それぞれが提供するサービスをしっかりと比較検討していくことが第1のポイントになります。
現在、地域電力会社から提供される電気料金はいくつかの料金プランが用意されています。たとえば、朝の時間帯に電力量単価が安いプランや、逆に夜の時間帯が割安なプランなど。ご家庭のライフスタイルに合わせてプランを選択することができます。
この料金プランが、2016年からの電力自由化によってさらに細かく柔軟に用意されます。したがって、ご家庭のライフスタイルに合わせた契約をすることで、より割安な電気生活を送ることも期待できます。
ご家庭に最適な契約を結ぶためには、日々の電気使用量や、どの時間帯にどの程度の電気を使うか電気使用のパターンを把握することが大切です。その時に活躍するのがHEMSと呼ばれるシステムです。HEMSとは、ホームマネジメントシステムの略称で、エネルギーの使用状況を専用画面等で見ることができ、またシステムと連動する家電などを自動制御することもできます。
HEMSで電気の「見える化」が可能になりますので、ご家庭での電気使用のスタイルを明確に把握することができ、生活スタイルに最適な料金プランを選択することが可能になります。
お得で最適な料金プランを選択するために、HEMSなどの活用によってご家庭の電気使用量や使用パターンを確認できるようにしておくことが第2のポイントです。
新規参入事業者の割安プランを選択できたとしても、もしかしたら電気の品質に不安があるかもしれません。たとえば、予期せぬ時に停電が発生するなど不安定な電力供給が考えられます。
そこで、突然の停電に備えて太陽光発電を導入することも大きなポイントです。太陽光発電であれば自前で電気を賄うことができますし、夜間であっても蓄電池をあわせて導入することで日中に貯めた電気を使用することが出来ます。
なお、太陽光発電や蓄電池のシステムは一般に高価ですが、太陽光ローンを活用したり、蓄電池の補助金を国から受けたりすることで、システム導入の敷居を下げることができます。
このように、太陽光発電や蓄電池を補助金等の活用で安く導入することが第3のポイントです。
電力自由化に伴いポイントを3つ紹介しましたが、その他の抑えておくべきポイントについても紹介します。
電力自由化は、北海道から沖縄まで全国でサービスが展開されています。企業によっては、四国や一部地域ではサービスの提供をおこなっていない場合もありますが、ほとんどの企業が全国をサポートしているので地方や都市部関係なしに電力自由化のメリットを受けることができます。
電力が自由化されるということは、必ずしも電気代が安くなるわけではありません。海外ですでに電力自由化が採用されている国もありますが、採用する前よりも電気代が高くなってしまったというケースもあります。今後、どのような料金変動があるかしっかりと見守る必要があるでしょう。
今まで電気は、電力発電所が電気を発電し電線などの設備を通して家庭まで電気が送られてきました。これからは、新規参入する会社が電力を発電、もしくは第三者から買取り、家庭へ電気を送ることとなります。乗り換えた場合は、このように発電から家庭までの流れが全く変わることとなります。逆にいえば、電気が何から作られているかを自分で判断し、購入できるということにもなります。
また、電力会社を乗り越えた場合、電気の管理をおこなうスマートメーターを設置します。スマートメーターは、前述したHEMSなどを通じて電気の見える化を可能にする電力量計のことです。電力情報は、インターネットを介して電力会社に送られるためわざわざ検針をする必要はなくなります。
今までの電力会社は、化石燃料を中心に電力を発電していました。これからは、様々な方法で発電をしている企業の中から、企業がどのように電気を作っているか把握しながら電気を選べます。例えば、太陽光から発電した電気を主に使っている会社もあれば、化石燃料が大半の会社もあります。特に、東北の地震以降原発に対する危機感が高まりました。これからは原発で電気を作っている企業以外からも電気が購入できるのです。
現在の電気使用量がほとんどない場合、当然ですがほとんどメリットはありません。逆に言えば、電気使用量が多い家庭であればあるほどそのメリットは大きくなります。そのため、家族が多い家庭のほうが享受できるメリットは多くなります。他にも、地方よりも都市部には企業が多く、選べるサービスも多くなります。
電力自由化が始まり多くの企業がサービスを展開していますが、実際のところはほとんどの人が乗り換えをしていません。その理由として、サービスが多すぎて検討するのがめんどくさいということがあげられます。実際に、乗り換えをしようとサービスを探すと多くの情報が見つかりますが、あまりにも多すぎて選ぶことができません。また、手続きも手間がかかるということで敬遠されがちです。
実際にメリットがあるのにもかかわらず、このような理由で変えていない人がほとんどです。経済的に楽になるサービスも多くあるため、上記のような理由で乗り換えをしないと損をすることとなります。他の家庭よりも節約をするためにも、サービスの検討を進めていくことをおすすめします。
いかがでしたでしょうか。2016年の電力自由化により、電気使用者にとって電気利用の選択肢が今以上に増えることになります。このチャンスを大いに活用するためには、上記で述べた3つのポイントを押さえておくことが大切です。
第1にご家庭のライフスタイルに最適な電気事業者を選択し、第2にご家庭の電気使用量に合わせた料金プランを検討、そして第3にいざという時のために太陽光と蓄電池を導入する。このように3つのポイントを押させることで、電力自由化という大きなチャンスで損の無い電気生活を送ることができるでしょう。
また、新電力を活用するにあたり、様々な疑問が湧いてくると思います。サービスが多すぎて選べないということも起きてくるでしょう。しかし、費用的にもメリットがあるサービスも多くありますので、それぞれしっかりと吟味をして自分にあったサービスを選びましょう。これから新電力に切り替えを検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
(参考)
SBパワー公式ウェブサイト http://www.softbank.jp/energy/kaitori/
楽天エナジー公式ウェブサイト http://energy.rakuten.co.jp/
丸紅新電力公式ウェブサイト https://denki.marubeni.co.jp/
2017/03/29